デジタルシフトの時代のなかにあって、業務の変革が必要とされていることについては、いまさら説明するまでもないでしょうが、事業環境の変化の速度は、今ほど速い時代はないのではないでしょうか。多くの企業は、変革そのものや、変革後のビジネスのあり方などに注力していますが、企業には、ますます迅速な経営資源、特に現在の環境を理解し、適切な変更ができる人的資源の獲得と活用を求められていると考えます。三和一善 長い間、企業では優秀な経営資源をどのように内部に確保するか、から外部経営資源をいかに活用するか、という転換が図られています。確かに、定型化された業務や、テクノロジーを外部に委託し、時間とコストを削減する動きは高まっているように思われますが、人的資源については、さほど積極的な活用をするための変革が行われていません。企業では社員は当然担当する事業を維持し、拡大するための役割を担っているわけですが、当然その規模が大きくなるほど既存の業務が優先され、変革においては速度を含めて限定的な範囲となります。競合企業も含めて変化が緩やかに進んでいた世界ではこれでも良いのですが、高速で進むデジタル化された世界では通じないことは言うまでもないでしょう。 BPOとは企業の運営機能の一部を外部に委託するサービスの総称です。これまでも多くの企業で導入されていますが、業務の多くがデジタルシフトされ、人的資源の活用方法も変わっていく時代においては、これまでとは違う利用価値を持つようになってきています。何年もの間、多くの企業で導入されている一般的なBPOは、営業など販売や企画部門、経理や財務部門といった成果や効率によって結果の見える業務です。すなわち長期間にわたって業務を外部委託することによってコストや時間の削減を行うモデルであり、このモデルは今後も価値を持ち続けることと思われますが、企業にとっては業務アウトソースの費用と割り切り、外部委託をし続ける必要があります。当社のサービスモデルは、この業務をいかに効率化させ、今ある人的リソースを活用できる状態にして、インソース、すなわち企業に新たな業務モデルとして返却するサービスに焦点を当てています。適切な人的リソースの確保が困難な中、運用体制が追いつかずにビジネスの成長を阻害することがあってはなりません。企業がそういった問題に直面した時、私どものサービスモデルは大きな価値を持つと考えます。(Charles Lim、訳:三和一善)
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デジタルシフトに対応するFinancial Officerの役割 | 三和一善
規模に関わらず、企業の業務がデジタル化している現代において、CFOの業務範囲は複雑化しています。デジタル化の時代においてはこれまでの業務、特にバックオフィスのあり方を変えていく必要があり、目まぐるしく変化するビジネス環境に上手く適応しながら遂行していくことが求められます。三和一善 来月開催予定のセミナーが、当社お客様の取組みのヒントとなれば幸いです。 CFOには、社内のデジタル化が可能であるバックオフィス業務などは、効率化を促進し、適切な分析情報を提供し、CEOのパートナーとして戦略的意思決定を支える役割を担うことが求められています。 当社お客様からも、CFOのコミュニケーション能力はもちろん、分析能力や、その情報の活用能力などの向上が緊急の課題となっており、そのほかにも、HRの能力向上が課題となっています。 企業の戦略をサポートし、実行する基盤作りのためにも、デジタルによる業務プロセスの効率化やコストの最適化などを促進し、優位性を創出することが必要不可欠となります。 CFOや財務部門は、従来からの領域である財務に関する報告の品質保持、内部統制や監査、コンプライアンスなどの対応において、企業の方向性や内外部環境の変化を理解した上で対応することが要求されます。標準化された業務をどのようにスピードアップし、CEOやボードに対して、タイムリーな情報提供を行えるか、そのために、今後ますます、CFOに求められる条件は実務能力だけでなく、デジタルリソースを理解し、活用できる能力がCFOの必須条件となっています。 当社では、COVID環境化においてFinancial Officerが検討すべき、また企業ごとに取組なければならない事項を整理し、通常経理処理や決算、または監査といった、これまで社内で行っていた業務をどのようにアウトソースに切り替えるか、またリモート化といったデジタルシフトの可能性に焦点を当てたセミナーを行っています。(Sam Reed, 三和一善)
バックオフィス業務とは | 三和一善
当社では現在、全米約200の企業から個人事業主まで、それぞれのお客様に応じたバックオフィスサポートサービスを提供しています。バックオフィスとは、企業などにおいて、事務・管理業務などを担当し、顧客に直接対応するフロントオフィスを支援する業務であり、人事・経理・総務・情報システム管理部門など間接部門と呼ばれる業務などが対象となります。一部の大企業を除き、多くの場合、経理や会計などのバックオフィスを専門的に行う人材が不足しているため、経営者自らが給与計算や経理業務に関与したり、また社員が本業の傍らに、バックオフィス業務をこなし、本来の業務に専念できないなどというケースが多く見られます。また、新たに起業する場合、スタートに伴う発生するバックオフィス業務がわからない、また、どのようなシステムを導入すべきかといった情報がなく、本来であればスタートアップのための本業に専念すべき貴重な時間を費やしてしまうことになります。三和一善 米国では、総合的に企業に勤務するサラリーマンという概念はなく、それぞれにエキスパート職の意識が強いため、バックオフィス業務を社員に兼務させるという考え方がありません。そのためバックオフィスの業務やビジネスプロセスは、外部の専門サービス会社に委託することが多く、そのカテゴリはBPO(Business Process Outsourcing)と呼ばれることもあります。主なメリットしてはバックオフィス要員のための採用や教育コストが不要となり、また、それぞれの社員が本業に専念できるため、業務品質・効率化が図れます。大きなポイントして、インフラの整備などへの投資が不要で、また作業が社内の担当者レベルでないために、業務が可視化でき、社内では調達が困難なノウハウや最新知識の利用などが挙げられます。最近のバックオフィスサポート会社では、インソースと呼ばれる、いったん外部委託した作業を社内に戻す作業にも慣れており、教育システムや、インフラの構築などの委託も可能です。 企業には人材の効率的な活用や業務効率化が求められています。当社ではバックオフィスサポートサービスに加え、それぞれのお客様に合ったクラウドサービス導入サービスも行っております。米国の当社6拠点のオフィスから、御社のアメリカ進出をサポート致します。お気軽にお問い合わせください。(Charles Lim・三和一善)
Payrollサービスの利用メリット| 三和一善
従業員を雇った場合、必ず発生する給与計算ですが、アメリカの場合は州ごとに計算方法が異なるなど複雑になります。特にお客様から質問の多い給与計算代行サービスの利用についてお知らせします。 三和一善 1.より正確な給与計算業務 正確に給与計算業務を行う事が理想ですが、社内で担当者が給与計算を行うとマニュアル作業となり、意図せず間違いが起こる可能性があります。従業員は当然ながら自分の業務に対する正確な給与を受け取る権利があるので、給与支給日に給与が支払われなかったり、給与計算結果に疑問があると、会社への不信感にも繋がります。給与計算代行サービスを使用することによりシステムで自動計算させることができマニュアル作業がなくなるため、より正確に給与処理を行うことができます。 2.税率のアップデート アメリカの税法や税率は頻繁に改定され、連邦、州、郡等の税金のレートには常に注意をしておく必要があります。またその変更は決まった時期ではなく、突然行われることもあり、社内で給与計算業務をする場合、変更に気がつかなかったために、後に連邦や州から警告を受け取る可能性があります。 当社のお客様の中で、従業員の方がTax Returnを行った際に、本来控除すべき金額を控除しておらず追徴金が発生したといったケースも聞いています。給与計算代行サービスを利用した場合、アメリカの複雑な税金や法律の変更に対応するため安心感があります。 3.連邦や州等への報告代行 納税や四半期ごとの報告には期日が決まっており、この期日に遅れるとペナルティーや利子が発生します。また企業規模にもよりますが、従業員が複数の州にいる場合は、それぞれの州へ納税や報告が必要になります。提出期限に遅れた場合はペナルティが科され、煩雑な作業が発生します。専門サービスを通した場合、こういった税金の納税や報告は給与会社が代行して行うため、提出期限に遅れたりする心配もなく、効率化が図れます。 4.給与プロセスの簡素化 代行サービスの場合、従業員に支払いたい金額と、引き去りたい保険の自己負担額などをシステムに入力すれば自動的に総支給額からしかるべき控除を行い、手取り額が計算され、さらに従業員から控除した税金はその代行サービス会社が代理で納税を行い、四半期ごとに連邦や州などに支払った税金の報告も行いますので、会社側は作業の簡素化を図れます。 多くの代行サービスでは給与計算処理後のレポートや、明細書の作成代行も行います。その他にも、従業員個人に付随する事情によるレポート(子供のサポートや差し押さえなど)の受取人への支払いなども自動対応しており、間違えると問題となる作業を確実に実行します。全米で利用されているADPや、お近くのバックオフィスサポート会社など、様々な代行サービスを提供する会社がありますが、給与会社を選定する際、どの給与会社が自社に合っているかを見極める必要があります。 会社によって、 それぞれ得意な部分、または不得意な部分があります。まずは現在自社内での給与処理を再確認し、代行サービスを利用することで得られるメリットを整理し、選定することをお勧めします。(Sam Reed、三和一善)
ニューヨークの家探し 体験記 | 三和一善
シナジック のLimです。我が家は小さな子供と夫婦の世帯で、現在本社からニューヨークオフィスの責任者として家族と共に赴任していますが、これからやってくる赴任者の参考のために、ここでの学校探しや家探しについて書きたいと思います。三和一善 最初に私が一人で赴任を始めたのが、2018年、当時見つけたアッパーウエストサイドのアパートは1ベッドルームで$4,100だったと記憶しています。その後家族がやってきたのですが、とりあえずそのまま1ベッドルームで暮らすことを決定し、更新手続きに、すると$400の家賃アップを要求されました。 交渉の結果若干の値上げで更新をしましたが、毎年の値上げは契約書に盛り込み済みであり、このままでは苦しくなるばかりです。私の住むエリアでは、子供のための希望の学校が見つからず、治安面でも不安があったため、子供が就学する1年後までには、引越しをせざるを得ない状況でした。ニューヨークでの生活の立ち上げと家探しと学校探しを同時に進めながら、ニューヨーク郊外の物件も見てみましたが、通勤時間が問題となり。郊外を候補から外すこととなりました。 ロサンゼルスの生活とは違い、マンハッタンなどでは、車での移動も億劫ということも家探しの重要なポイントになっていました。そんなわけで、ニューヨーク市内で家探しを始めたのですが、住みたいと思うエリアは家賃が高くで諦めざるを得ず、ブルックリンあたりなら、と探してみたものの、良い場所はマンハッタンより家賃が高く、通勤や移動には不便であり、結局、もともと住んでいたアッパーウェスト、アッパーイーストあたりに落ち着いてしまいます。実際、周りを見渡してみると、Expatと呼ばれる駐在員家族が多く住むエリアになります。 人気のアッパーイーストサイドは学校のレベルにばらつきがあると聞くことが多く、全体的に学校のレベルが高いと言われているイーストサイドで探すことに決定しました。 最終的に、まずは子供のために学校を探し、そこから暮らせる範囲を指定して、通勤と通学ができる範囲でアパートを見つけ、以前よりも少し高めの2ベッドルームのアパートに落ち着きました。ニューヨークは学区によっって分けられており、学区内の住所に住む子供が優先的に学区内の学校に入学を許可されます。ニューヨークでは、この学区を決めてから、家探しをしないとなかなか進みません。信頼できるサイトなどを利用して学校名から、その学区を探し、見つけていく必要があります。エージェントのサイトや口コミのサイトなどの情報は必ずしもアップデートされていない場合があります。自分自身で学区をしっかりと確認してから、希望のエリアで探していきましょう。(文・Lim 訳・三和一善)
駐在員の住みやすいエリア | 三和一善
シナジック のLimです。ニューヨークオフィスに赴任してからちょうど3ヶ月が経過しました。こちらに来てから本社から日本人駐在員が住みやすいところを紹介しろと言われ続けているので、少し調査をしてみました。 三和一善 日本人が比較的多く居住している地域は、マンハッタンやウエストチェスター、ロングアイランド、州外に出るとニュージャージーといったエリアになるようです。 ニュージャージーに住む世帯は、職場が近いか、もしくはニューヨークの州境あたりにあるというケースが多く、ニューヨークのダウンタウン、マンハッタンへも通勤圏内で、バスや電車を使って通勤することができます。 しかし家族構成によっては選択するエリアが変わってきます。 独身であったり、子供のいない夫婦だけだと、職場に近く、生活の利便性が高いマンハッタンでも特に人気があるミッドタウンやアッパーイーストサイド、アッパーウエストサイドを選び、就学中の子供帯同の世帯は安全で、学校区、また、子育てに適した自然や、施設のある郊外のエリアを選ぶようです。 ウエストチェスターからは鉄道がグランドセントラル駅から利用可能なため、ミッドタウンへの乗り入れに便利です。片道約1時間ほどの通勤時間も快適に過ごすことができます。私の住むウエストチェスターは、静かで、郊外感が満載のエリアですので、学童期の子供のいる駐在員家族には人気なようです。もちろん一軒家のメンテナンスが負担であったり、郊外はちょっとという場合には、ニューヨークのアパートで暮らすことも可能ですが、ニューヨークの家賃相場は日本の比ではありません。 ニューヨーク、特にマンハッタンでは、家賃の高さには驚かれます。もちろんエリアや物件の状態により幅はありますが、マンハッタンで単身者向けのスタジオやワンルームを探すと、2,000ドル以上は必要になります。私がお勧めしている地域、ミッドタウンや、アッパーイーストサイドなどだと、おそらく1ベッドルームで3,000ドルは必要になってくると思われます。家族向けで2ベッドルームとなると、おそらく4,000-5,000ドルとなってきます。 また、マンハッタンの空室率は非常に低いため、ニューヨーク駐在になる方で、気になる物件が出てきた場合は、すぐに不動産会社に問合せるか、私、Limにお知らせください。 (文・Lim 訳・三和一善)
永住権・市民権の定義と取得 ② | 三和一善
在米の駐在員の方々から、永住権と市民権の違いや、取得についての質問を受けることがあり、当社ではビザサポートは致しておりませんが、一般的な方法についてお伝えしましたが、引き続き市民権の申請について記載します。一般的に市民権を得るには、雇用主や、事業、投資などを通して永住権を取得した方は5年後以降、家族をスポンサーにして永住権を取得した場合には3年後(条件付き永住権を保持していた期間を含みます)から申請が可能となっています。申請から市民権取得までにかかる期間は地域によって異なるようです。申請には、指紋の採取、写真撮影、面接、アメリカの歴史など、一般知識などに関するテストが行われます。模擬テストを簡単に取得できますので、勉強をしてから行かれることをお勧めします。市民権と永住権の大きな違いは、選挙権だと思います。米国で日々生活する中で、永住権保持者には、アメリカの市や州、連邦のすべてにおいて、非選挙権、選挙権が与えられていません。市民権保持者であれば、当然アメリカ人ですので、地方にも国政にも参加することができ、投票にも行けます。 三和一善 しかし市民権を取得してしまうと、当然ながら日本の選挙権は失います。永住権であれば、アメリカに住んでいながら、在外選挙人証を取得して、日本の選挙に投票することができます。 当社のメンバーは全員アメリカ国籍か永住権保持者ですが、多くの永住権保持者は、労働ビザから永住権を取得して、特に強く感じることの1つに職業選択の自由があると言います。永住権を取得すれば、ビザのカテゴリの制限にとらわれず、自分が望む職業に従事することができます。(ただし、連邦レベルでのお仕事、例えばホワイトハウスなどや、国家の機密事項を扱う部門などに所属することはできません)。ただし、永住権でも市警察など、市や州レベルでは働くことが可能なようです。当然ですが、国家保証や安全に関わる職業は、アメリカで生まれた市民や、アメリカ国家に忠誠を誓っている市民権保持者に限定されているようです。また、日本ではあまり馴染みのない義務に、セレクティブサービス(兵役登録)」があります。これは永住権と市民権にかかわらず、18歳から25歳の男性は例外なくセレクティブサービスに登録しなければなりません。(もちろん健康の問題や、宗教上の関係で免除されることはあります)永住権保持者の場合、ここで躊躇する人も多いようですが、これに登録していないと、将来市民権申請の場面など、いろいろな部分で影響が出る可能性があるとも聞きます。ご注意ください。 また、アメリカ永住権を持っていれば、市民権保持者と同等の保護が米国政府から受けられるかという質問もよく聞きます。この疑問に対して、当社から専門家に確認をしたところ、アメリカ国外で災害に巻き込まれた場合、永住権保持者の救助の優先順序はアメリカ国民より低い可能性があるとの回答でした。もちろん永住権保持者でも、家族にアメリカ国民がいる場合は優先度は高まるようです。アメリカに住む日本人を保護するために税金を払っているのではないという考え方のようです。現在は永住権保持者にも平等に提供されている社会保障や福祉サービス、その他の権利、特典が、確実とは言えない状況になる可能性もあると考えます。永住権のままか、市民権を取得するのかは大きな決断です。十分な将来設計のもと、計画的に準備をすることが重要といえます。(Charles Lim・三和一善)
永住権・市民権の定義と取得について ① | 三和一善
在米の駐在員の方々から、永住権と市民権の違いや、取得についての質問を受けることがあります。当社ではビザサポートは致しておりませんが、一般的には以下のような方法があります。原則として無制限でアメリカに滞在することができ、就労もできるビザが永住権ビザ、いわゆるグリーンカード と呼ばれるものです。更新は基本的に10年に1度で、継続して更新を続けることができます。グリーンカードを申請・取得をする方法は、大きな資金をアメリカに投資して取得する方法や、特別な技能や能力による取得など、いくつかのあまり一般的ではない方法もありますが、それ以外では、大きく分けて2種類となり、雇用主をスポンサーとして申請する方法と、アメリカ市民や永住権保持者の家族をスポンサーとして申請する方法があります。三和一善 雇用主をスポンサーとして申請する場合、申請から永住権取得までの期間は、数年~10年。申請者の資質や就業する職業の特異性によって、5つのカテゴリー(EB-1、-2、-3、-4、-5)に分けられます。 EB-1は、科学、教育、芸術、ビジネス、スポーツなどの分野で特別な技術を持ち、その分野のトップに立つような国際的に認められている人が対象となります。 EB-2は、修士号保持者や管理職、研究者など。EB-3は、学士号保持者、または2年以上の就労経験がある人。EB-4は宗教に関わる仕事をしているなど、非常に特別なタイプの移民のカテゴリーです。EB-5は事業家や投資家が対象のカテゴリー。通常は最低180万ドルの投資をすることが条件ですが、政府が特別に定めた地域などは 現在90万ドル程度の投資でもこのカテゴリーで永住権を申請することが可能となります。しかしこれも可能ということであって、確実に取得できるわけではありませんが、どの分野も一般的に高学齢で、特殊技術を持っている人の方が取りやすいことは確かなようです。何らかの資格を持っているとか、エンジニアなどの専門家、博士号を持っている人などは有利と思われます。また、何らかの専門性がない分野では、就労することができるビザカテゴリであるHビザや永住権を取ることは非常に困難となります。少し不公平に聞こえますが、アメリカは学歴が高いほど、取得に際して優先順位が高くなる可能性があります。やはり政府としても優秀で、高いポテンシャルのある人材を欲しがるようです。 いくつかのカテゴリーは、いまだに10年前の申請分を処理中となることも珍しくなく、例えば今申請し、永住権取得まで5年待つといったこともありえますので、常に自分がどのカテゴリで申請をし、いつごろに取得できそうかといったことを、よく確認をしておくことをお勧めします。また、アメリカに滞在する日本人が、アメリカ国民や永住権保持者と結婚して永住権を取るには、Adjustment of Status という手続きが必要となります。また、日本在住の日本人がアメリカ国民と結婚して永住権を取るには、在日アメリカ大使館で Consular Processing を行います。これには現在、およそ1年程度かかっている模様です。しかし違法滞在など、何らかお履歴がある場合には、違反期間によって異なるようですが、3年間から10年間 程度、申請ができない可能性がありますので、専門家に相談をされて、しっかりとしたプランをたとられることをお勧めします。 (Charles Lim・三和一善)
ビザ発給停止の状況について
イクイティソリューションズ Christopher Bell シナジック 三和一善 トランプ大統領は、2020年4月にアメリカ国民の雇用を守るため、グリーンカードの申請手続きを60日間停止する発表を行った後、2020年6月にはこの制限の延長に加え、2020年度末まで、一定のビザによる入国の停止を発表しました。以下に制限の内容を記載します。 制限の対象になるビザの種類は、「H-1B」「H-2B」「J」「L」となります。現時点では、その他の「B」ビザ、「E」ビザ、「O」ビザなどは対象外となっています。「H-1B」ビザは、専門職ビザと言われるもので、申請者の学位が、申請する職務に合致しているか、相当する職務経験があり、米国での職務内容が専門的であり、大学での教育、および職務経験が当該職務に必要なものであるかどうかが厳しく問われるビザです。「H-2B」ビザは一時的熟練労働者のビザ、「J-1」ビザは学生や研究者、研修生、教師などの交換プログラムに用いられるビザです。「L-1」ビザは、日本の親会社から米国内にある子会社に派遣される人のビザです。三和一善 これらのビザの制限は、2020年6月の時点でアメリカ国外に滞在していて、2020年6月の時点で有効なビザを保持していない人に適用されます。従い、現在すでに上述のビザを保有し、アメリカ国内に滞在している人は制限の対象外です。 例えば、6月時点でH-1ビザで滞在していて、その配偶者がH-2ビザを持っているが日本に滞在している場合、その配偶者の今後のアメリカ入国も可能であり、夫も滞在、就労に制限を受けることはありません。また有効期限内はもちろん出入国も可能です。 本件は、ビザの制限を課しているのであって、すでに保有している人のビザステータスを制限しているものではありません。ステータスの有効期限は、「I-94」に記載されています。その期間内であれば、延長が可能となります。 グリーンカードに関する制限も延長となっていますが、申請自体が停止されているわけではありません。就労を通してグリーンカードを申請する場合、「I-485」の申請を行えば、就労許可が発行され、正式なグリーンカードが発行されるまでの間、アメリカ国内に合法滞在、就労、出入国ができます。なお投資による永住権の申請(EB-5)は制限されていないようです。 本規制内容は今後、変更、延期の可能性があるとされていますので、十分に注意をして、適切な対応をしていくことが重要です。
アメリカから日本に移住した場合の扱いについて
(NY支社)林嘉麗(CPA) ・三和一善(CEO)シナジック | 三和一善 (セミナーコンテンツ)アメリカに永住者として勤務し、リタイアメント後は日本に戻り、老後を日本で送るという人は多いと思います。しかしアメリカにそれなりの資金や資産を残している場合、日本での課税や手続きはどのような扱いになるのかといった質問をお客様からいただきます。私、林は米国およびオーストラリアのCPAのため、日本の状況についてあまり詳しくお伝えすることができませんが、以下、当社の日本での提携CPAから頂いた内容を記載します。これから日本に移住を考えておられるお客様におかれましては、金融機関または、日本の税制に詳しい会計士等にご相談されることをお勧めします。 三和一善 アメリカから受け取るリタイヤメントに関する収入の中には、ソーシャルセキュリティ、401KやIRAなど年金関係、または一時金といったものが考えられます。ソーシャルセキュリティは公的年金で、65歳以上と65歳未満、および、年金給付額の区分により、給付額の最高25%が公的年金等控除として差し引かれます。一部のお客様から、市民権、永住権を放棄した場合、受給は不可能かという質問を頂きますが、放棄前受給資格のあったソーシャルセキュリティ年金は受け取れることとなっています。401kやIRAなどは、年金として受け取るか、一時金として受け取るかにより課税方法が違います。年金で受け取る場合は雑所得となり、元本を引いた金額が課税対象となります。一方で、一部からご質問のあるRoth 401kの場合ですが、Rothというのはあくまでアメリカのものなので、日本ではRoth かTraditional/Pre-taxかどうかの差は認識されない可能性が高いと思われます。その場合、一時所得の方式で課税がされる可能性があり、本来、アメリカであれば全額非課税となりますので、この場合はRothからの所得を日本から受け取ることは、不利になる可能性もあるかと思われますが、ご確認を頂いたほうがいいかもしれません。そもそもRothの利点は最初に所得税を払っておいて、その後は非課税で利回り運用し、受取るとき時に非課税というのが利点ですが、日本の場合は、所得税後に積立て、受け取りの時にも所得税がかかる可能性があるのでしょうか。状況によるかもしれませんが、可能であればアメリカに居住している間に、受け取りが可能であれば、問題はないと思われます 。Rothからの受け取りは、元本は非課税となり、一定の年齢以上であれば、利回りも非課税となります。一方、一定の年齢以下の場合、利回り部分については、早期受取時に所得税と一定のペナルティが課せられますので、どちらを選択するか、専門の会計士やサービスに相談し、事前に計画をされておかれることをお勧めします。