私どものクライアントの多くが米国に進出されておられますが、多くのクライアントがいくつかの共通した課題に直面しています。比較的大規模な企業であっても海外進出が失敗に終わる例は数多く存在している中で、なぜこのようなことが起きるのかについて記していきたいと思います。 大きく分けて米国に進出をする際には、注意すべきいくつかのポイントがあります。現地の情報が十分でない点・言語の問題・商習慣の問題となる販売経路ネットワークなどのポイントにおける、米国進出の際の課題とその解決策を2回に分けてご紹介します。三和一善 米国の市場の規模や競合相手、および消費者の動向に関する情報不足 米国に進出する際の大きな問題としてビジネスを行う上での情報が不足しているという問題が存在します。米国に進出して、とりあえずオフィスを構えて、販売してみてから様子を見るということではリスクが高すぎるため、当然事前にビジネスに関する情報を集める必要があります。これらのマーケットに関する情報は、政府やあらゆる公的および私的機関が出している情報などの定量的なデータと、地元の情報機関などから比較的簡単に手にすることができるターゲットとしている人々の意識や嗜好などがわかる定性的なデータが存在します。このような定量的な市場に関する情報と定性的な嗜好やニーズに関する情報を収集することで、米国内でターゲットとする市場の中が見えてきます。これらを自社のビジネスと照らし合わせてみることで米国進出後のマイルストーンが見えてきます。米国内でビジネスを成功させるために重要なマーケット情報がわからないことには、ビジネスが成功するかどうかを予測することが困難なことは明らかですが、進出してくる日本企業、特に中小企業は、このような情報を十分に持っていないことが少なくありません。ひとつには日本が置かれた環境、国内でのビジネスの商習慣が考えられ、例えば日本は島国であり、特定のビジネスを除いて、言語は、ほぼ日本語のみの使用で問題がないため、海外の市場や消費者との距離が大きく、国外のマーケット状況が把握しずらく、正確な情報を得にくいという問題が考えられます。また、費用的にも、海外に関する調査となると、高額になることが多く、十分な調査ができないままに、進出を決定せざるを得ないというケースも少なくありません。情報不足の状態で海外視察を行ってみたが、あまり国内から取ったデータと変わらなかったということもあります。 資金が潤沢にある企業であればこうした問題はクリアできますが、多くの企業は限られた資金の中で、十分に情報を集められずに海外進出を始めてしますケースもあります。 ② コミュニケーションの問題 次に、米国に進出する際に最も一般的な問題として出てくる言葉に関するコミュニケーションの問題があります。ビジネスの際にコミュニケーション面で問題があると、大きな問題に発展しかねません。これは特に日本人に限った問題ではありませんが、日本はやはり他の国に比較してもビジネスレベルで英語が十分に話せる人が少ないため、現地企業へ商談のアポイントを取る際にも現地企業の情報を手にいれる必要がありますし、実際の商談の際には通訳を介することが不可欠です。また、それに付随して発生するのが商品やサービスに関する説明です。商品やサービス説明を違和感なく、魅力的に翻訳することは非常に重要です。特に米国の場合は、自社やサービスの内容を自信を持って、しっかりと説明することを求められますので、口頭で十分に説明できる人材を準備する必要もあります。また広告を検討する場合には、現地のターゲット層の文化や流行などを加味しなければならないために、よりハイレベルとなりますので、やはり米国に限らず、海外でビジネスを展開するためには、そういった問題を共有できるレベルの通訳、翻訳者を準備しておくことが重要です。 ③ 販売経路や企業・人とのネットワーク 例えばインターネット上でのビジネスなどは別として、一般的に、米国に進出をしてビジネスを成立させるにはオフィスや店舗、セールスなど何らかの窓口が必要となってきます。特に初めて進出をする際には、会社や商品、サービスの認知度は無い状態から始めることになります。通常は現地の代理店や協業先もない状態のため、これらの構築に相当な時間がとられ、また、それ以外にも情報や言語の問題があるため、こういった環境を構築していくには多大な時間と費用がかかります。現地の企業とのネットワーク構築にも、多くの時間とステップが必要となり、このプロセスを日本企業の担当者が全て行うには、大きなハードルがあります。 日本から米国に出張して、突然販売経路や現地企業とのネットワークをゼロから構築することは、費用や時間的だけでなく、精神的にも大きな負担となり、一般的な日本企業にとってゼロからの米国進出は、現実的には大きな問題を抱えている状況です。 (シナジック 三和一善 ハイジ・ジン)
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米国進出セミナーのご案内 | 三和一善
米国に進出する際の注意点、日米の企業文化、労務や人事の観点から注意すべき点についてご案内します。 COVID 19パンデミック以降の米国経済は悪化しており、米国内に新たな市場を模索し、毎年一定数以上を維持していた、外国企業の米国進出の意思決定にも大きな影響を与えています。この度、全米で200社以上にサービスを展開する当社と、グローバルに労務サービスを提供するバンズ&ピンチャック社が、困難な時代の中でも、米国における事業成功のための人材活用、体制構築、及び適切な法務、税務問題における日米における運営の違いなどについてケーススタディを交えてわかりやすくご説明いたします。また、香港を中心に日本、中国、アメリカ間の進出問題に強いエクイティS社によるQ&Aセッションを設けております。三和一善 米国進出をご検討中の企業様 米国のマーケットを模索されている企業様 米国駐在責任者様 海外事業責任者様 EB5などを通じて米国でビジネスをされている方 また、米国に未進出の企業様、既に米国で活動をされておられる企業様を問わず、お聞きいただきたいコンテンツです。ご来場を心よりお待ち申し上げております。 シナジック グループでは、現地企業をはじめ、アメリカに進出する日系企業のアドミニストレーション・経理・財務部門を代行するサポートサービスを提供しています。現在米国を中心に200以上の個人事業主様や企業様にサービスを提供しております。カリフォルニア、ニューヨークの4つのオフィスからサポートいたします。英語、日本語はもちろん、スペイン語、中国語、韓国語で対応が可能です。 (エクイティソリューションズ ハイジ・ジン / シナジック 三和一善)
イベントなどに関する控除について | 三和一善
最近多くの日系企業クライアント様からイベントなどに参加したり、チケットやそこで購入した物品などに関する取り扱いについて聞かれることがあります。 アメリカでは様々なイベントが盛んに催されていますし、最近ではWebinarなどOnlneの催しも多くなっています。そういったイベントに参加した際に、参加費用などはもちろん、それ以外にも様々な寄付が発生することがありますが、そのような場合、基本的には控除の対象になっています。しかし、少々複雑ですが、参加したイベントでどのようなサービスや恩恵を受けたかを計算し、合計から差し引く必要があります。例えば食事つきの100ドル相当のイベントに参加して、実際に食事が提供された場合には、食事分を差し引き、控除対象として申告する必要があります。その他の物品購入なども基本的には同様の考え方です。三和一善 基本的に、そのイベントに参加することによって、何らかの物品などを得ることができる参加費や寄付は控除の対象ではありません。また、NGOなど、非営利の団体に寄付をしたという場合でも寄付金を控除できる団体とそうでない団体があります。控除をするためには、一定の条件がありますので、寄付をする際には、条件を満たしているか、確認することをお勧めします。 ✳︎ 弊社では、現地企業をはじめ、アメリカに進出する日系企業のアドミニストレーション・経理・財務部門に特化したサポートサービスを提供しています。現在米国、オーストラリア、香港などの200以上の個人事業主様や企業様にサービスを提供しております。弊社ロサンゼルス市をはじめ4拠点のオフィスからサポートいたします。英語、日本語はもちろん、スペイン語、中国語、韓国語で対応が可能です。 (林嘉麗 シナジック)
FAQ 従業員採用時におけるポジショニング | 三和一善
日本とアメリカでは、人材採用と配置の基本的考え方が異なり、ポジションを中心に採用します。入社後の人事異動という考え方も少なく、一般的には入社したポジションのままで、同じ仕事を継続します。そのため、日系クライアント様で、従業員を採用する際に、やはり日本と同じように入社試験や適性試験をしたい、といった時に若干注意をしておかなければならない場合があります。三和一善 どのような応募者にも公平な試験(例えば仕事で使用するソフトウエアの使用に関するチェックなど)は構いませんが、ほとんどの企業では、専門ポジションを募集する場合は、ある程度の学歴や経験のハードルを設けていますので、中学や高校で教わるような一般知識のような試験は、例え応募者が答えられなかったとしても、入社後のパフォーマンスにほとんど関係がない場合が多く、何らかの排除のための試験と捉えられる可能性もあります。例えば、アメリカは人種によって教育レベルに差が出ている実態があり、そのようなデータも多く公開されています。そのため、企業受付のポジションに、大卒以上と条件を設定し、人種に対するフィルターと捉えられたケースもあります。 ポジションや業務内容を中心に採用を進めるアメリカでは、「ジョブ・ディスクリプション(職務内容の書かれた書類)」が非常に重要になります。人材を採用・配置するポジションについて、担当する職務内容や必要なスキルなど、会社が何をその人に求めているかについて詳細を記します。採用時にジョブ・ディスクリプションを提示して求める成果を明確にしないと、その後の評価においてその人の業務成果を評価することが困難になってしまいます。また、従業員との訴訟リスクや様々なトラブルにも繋がってくるため、アメリカ の企業ではジョブ・ディスクリプションは必要事項が網羅されており、非常に詳細かつ具体的に作成されています。入社試験を課したい場合には、まず、その試験が仕事のパフォーマンスやジョブディスクリプションと関連があるのか、ということを確認し、実施してください。 採用情報 国内営業
OPT後の対応 | 三和一善
当社の研修制度ではOPT後のサポートは行っておりませんが、OPTの後もアメリカに残り就職をしたいということであれば、求職の時にビザサポートのある企業、またはサポートを依頼することをおすすめします。企業側も求人の時点でビザサポートの有無を明示していることが普通ですので、募集要項をよく確認してください。また十分な時間を持って活動をするように心がけてください。通常受け入れ先の企業はOPT期間にビザまでサポートするかパフォーマンスを確認したり、ビザ応募のための書類の準備、弁護士とのやり取りなど何かと時間が必要となります。OPTの日数が残り少ない場合、それだけで敬遠される可能性があります。 三和一善 ビザサポートについては不透明だが気になる求人がある場合、可能な限り企業に直接コンタクト出来るように応募することをお勧めします。リクルーターを通す場合、サポートしない企業は応募不可と履歴書を出す前にブロックされる可能性があります。一度応募した会社の動向もしっかりとチェックしておいてください。同じ求人内容でも条件が変わることが多く、後に応募条件が合致することもよくあります。 H-1サポートについて H1Bは企業が専門的知識もしくは特殊技能を有する外国人労働者を雇用することのできる非移民ビザのため、職務内容が専門的なもの(SO)でなければなりません。通常、その専門的能力は学位と専攻によって判断されます。4年制以上の学位をもっているか、またはその専門分野での経験実績が学士号に相当することが必要です。また専攻や職務経験がH-1Bビザの職種と関連があることが必要です。例えば、過去の事例で、当社コントローラー関連の職務に就く場合、アカウンティングの科目をより多く履修し学位をもっている人のほうがH-1Bビザ申請のできる可能性が高まります。逆に、専攻分野の範囲が広く、履修科目が多岐にわたる場合には専門性に欠けるとUSCISが判断するケースが増えているようです。 短大の場合には、最低6年間の職務内容と一致した職務経験が追加で必要となります。また専門分野で相応の年数の実務経験を必要とされることが多くなってきています。雇用が特殊技能職としてみなされるか、あるいは申請者が適格であるかどうかはUSCISが判断します。H-1Bビザはまず最大3年間発行され、その後3年間の更新が可能となります。この延長も含めると合計6年間アメリカでの就労が可能となります。ただし勤務に関しては、H-1Bビザをサポートした企業でのみ就労することができ、離職した場合はその資格を失います。 将来的に転職を検討している場合には新たなスポンサーを見つけて申請することになります。転職のタイミングによってはアメリカ国内に滞在したままビザ申請と転職が同時に完了しない場合もありますので、将来的に転職を検討されている方は、専門家と事前に相談することをお勧めします。 (山根充・三和一善)
Q&A H1でのビザサポートと採用情報について | 三和一善
アメリカ転職したい人であればご存知だと思いますが、アメリカで働くのに一番のハードルは「米国で勤務できるビザ」の取得です。基本的に、個人では申請できません。内定を貰った企業からサポートをするという形で申請することになります。そのため、アメリカで働くためには「ビザサポート有の求人」を探して、内定を取る必要があります。ただし、2019年現在では、以前までは取得できたH1Bでのビザサポートをつけて求人募集している企業が極端に減っており、現実的ではなくなっています。以前までは比較的取得できたH1でのビザ申請が困難になっている原因として、エンジニアの申請の増加や、認可されるまでの期間が極端に長くなったなどが考えられます。以前まではH1Bへの応募自体が少なく、日本人は申請数が少なかったこともあり、許可が下りやすかったのですが、トランプ政権後の政策によるコントロールに加えて、世界各国からの申請数が増えたこともあり、許可されにくくなっています。申請してから以前までは数か月で許可が下りていましたが、現在では1年以上待たされた挙句、却下される可能性もあり、H1ビザサポートをしてまで採用しようとする企業自体も減っています。日本人では少ないですが、通常はH1申請後、アメリカ移住を目的に永住権に切り替えるケースが多いため、取得が困難であっても世界各国からの申請数は増え続けており、ますます日本人がH1で渡航することは難度が高くなっています。三和一善 また、日本に本社のある現地法人求人などでは、TOEICなどを必要とする求人があります。非常に使い勝手の良いポイントで信頼できるのですが、利用に当たって制限があります。それが、大卒以上であることと、就業経験があることです。TOEICの点数による足切りなどはないと考えた方が良いと思います。アメリカで転職するのであればTOEIC700点程度の英語力はあったほうがいいですし、アメリカ で仕事をしようと考えている人であれば、難しい基準でもないはずです。ただ、実際の現場ではTOEICはさほど重視されておらず、TOEICが実際の英語力とはあまり相関性がないことから、TOEICスコアを理由とした問題に発生することは考えにくく、また、提出などを求められることはあまり聞いたことがありません。また、サポート会社を通すことを考えておられる方に関しては年収で700万円以下の求人を希望している人と、年収700万円以上を希望する人では求人サポート会社の対応が変わってくる可能性があります。したがって登録などをされる場合は年収700万円以上を希望にしておいたほうが無難かも知れません。結論的にはTOEICを受けたことがなくてもアメリカ勤務の求人を希望しているのであれば、優先的にアメリカ求人を紹介してもらえるエージェントに登録してしまうのが最も確実です。 以下に当社の募集要項を記載します。 ■募集ポジション LA本社とNYオフィスを行き来するポジションです。 US勤務となります。 ■具体的な業務内容 (1)本決算業務 (2)連結決算業務 (3)会計監査の対応業務 (4)予実管理、コスト管理 バックオフィスサポートビジネスの流れを理解していただいている方で、数字やExcelに強く、様々な業務に対応していただける方を募集しています。日英両言語を使用してお仕事いただきます。保険等のベネフィットは充実しております。 ■必須要件 ・経理財務経験5年以上 ・英語:ビジネス、ネイティブレベル ・日本語:コミュニケーションレベル ・海外でチャレンジできる精神力をお持ちの方 ■歓迎要件 ・EU圏での経理財務業務の経験 ・開示業務経験 ・米国公認会計士 ・4大卒以上 尚可 ■選考プロセス 書類選考 適性検査(面接前までに受検いただきます) 面接 (マイケルリード・三和一善)
新型コロナウイルス対策のためのリモートワーク延長のお知らせ(JP)| 三和一善
当社では、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、クライアント様、従業員の安全の確保に努めてきました。これまで、当面の対策として2020年3月16日から、CDC等のガイドラインに添った措置期間における取り組みをし、対応を進めてまいりましたが、その後も引き続き予断が許されない局面が続いていることを考慮し、今後は期間を区切ることなく、状況の変化に対応しながら対策を強化していきます。具体的には、これまでに発表した各々の安全確保策を、より一層強化、徹底しつつ、米国政府から発出された指示なども踏まえ、リモートワークのさらなる徹底やWeb会議システムなどIT投資の追加など、あらゆる対策を強化していきます。今後も引き続き、感染拡大の防止と、クライアント様、従業員の安全確保を最優先に対応していきます。三和一善 米国内オフィスにおいて、下記の方策により抑制に取り組んでまいります。 ・リモートワークの徹底 ・ローテーション出勤の推進(在宅勤務の活用や有給休暇取得の勧奨など) ・セールス部門のプラットフォーム(従業員専用ページ上に掲載)の活用 その他、本期間における海外・国内海外出張および事業所間移動の禁止などの取り組により、感染リスクを最小限にとどめてまいります。また、当社では、従業員および関係者各位のリスクの軽減、ならびにクライアント様への継続的なサービスを目的として、2020年3月16日(月)より、全従業員はリモートワークへ移行しておりますが、本年度末まで延長することをお知らせいたします。 実施概要 ■期間 2020年3月16日(月)~2020年12月31日。 ■目的 従業員の感染リスク軽減とクライアント様への継続的なサービスの提供 ■内容 全従業員を対象にリモートワークを実施します。 原則はリモートワークでのサービス提供を実施いたします。クライアント様および社内の打ち合わせは、全てオンライン会議システムを活用いたします。また、CDCのガイドラインに添って、感染拡大の状況次第で都度、対策内容の見直しを行ってまいります。 ■お問い合わせについて 期間中は、電話等の対応が出来かねる場合がございます。 ご連絡は直接各担当宛へメール、またはウェブサイトからのお問い合わせを受け付けております。 対応にお時間をいただくことがございます。 ■お打ち合わせについて 各担当からお伝えする会議システムのIDをご利用いただきます。訪問・来社はお控えください。当社従業員ならびにクライアント様の感染リスクを低減し、安全を確保するとともに、継続的なサービスを提供すべく努めて参ります。今後も米国内の情勢に応じた対応を行いますので、関係者様におかれましては何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(マイケルリード・三和一善)
当社概要とPayrollサービスご利用についてのお知らせ | 三和一善
当社では現在、全米約200の企業から個人事業主まで、それぞれのお客様に応じたバックオフィスサポートサービスを提供しています。バックオフィスとは、企業などにおいて、事務・管理業務などを担当し、顧客に直接対応するフロントオフィスを支援する業務であり、人事・経理・総務・情報システム管理部門など間接部門と呼ばれる業務などが対象となります。一部の大企業を除き、多くの場合、経理や会計などのバックオフィスを専門的に行う人材が不足しているため、経営者自らが給与計算や経理業務に関与したり、また社員が本業の傍らに、バックオフィス業務をこなし、本来の業務に専念できないなどというケースが多く見られます。また、新たに起業する場合、スタートに伴う発生するバックオフィス業務がわからない、また、どのようなシステムを導入すべきかといった情報がなく、本来であればスタートアップのための本業に専念すべき貴重な時間を費やしてしまうことになります。三和一善 米国では、総合的に企業に勤務するサラリーマンという概念はなく、それぞれにエキスパート職の意識が強いため、バックオフィス業務を社員に兼務させるという考え方がありません。そのためバックオフィスの業務やビジネスプロセスは、外部の専門サービス会社に委託することが多く、そのカテゴリはBPO(Business Process Outsourcing)と呼ばれることもあります。主なメリットしてはバックオフィス要員のための採用や教育コストが不要となり、また、それぞれの社員が本業に専念できるため、業務品質・効率化が図れます。大きなポイントして、インフラの整備などへの投資が不要で、また作業が社内の担当者レベルでないために、業務が可視化でき、社内では調達が困難なノウハウや最新知識の利用などが挙げられます。最近のバックオフィスサポート会社では、インソースと呼ばれる、いったん外部委託した作業を社内に戻す作業にも慣れており、教育システムや、インフラの構築などの委託も可能です。 第一回目では。従業員を雇った場合、必ず発生する給与計算ですが、アメリカの場合は州ごとに計算方法が異なるなど複雑になります。特にお客様から質問の多い給与計算代行サービスの利用についてお知らせします。 1.より正確な給与計算業務 正確に給与計算業務を行う事が理想ですが、社内で担当者が給与計算を行うとマニュアル作業となり、意図せず間違いが起こる可能性があります。従業員は当然ながら自分の業務に対する正確な給与を受け取る権利があるので、給与支給日に給与が支払われなかったり、給与計算結果に疑問があると、会社への不信感にも繋がります。給与計算代行サービスを使用することによりシステムで自動計算させることができマニュアル作業がなくなるため、より正確に給与処理を行うことができます。 2.税率のアップデート アメリカの税法や税率は頻繁に改定され、連邦、州、郡等の税金のレートには常に注意をしておく必要があります。またその変更は決まった時期ではなく、突然行われることもあり、社内で給与計算業務をする場合、変更に気がつかなかったために、後に連邦や州から警告を受け取る可能性があります。 当社のお客様の中で、従業員の方がTax Returnを行った際に、本来控除すべき金額を控除しておらず追徴金が発生したといったケースも聞いています。給与計算代行サービスを利用した場合、アメリカの複雑な税金や法律の変更に対応するため安心感があります。 3.連邦や州等への報告代行 納税や四半期ごとの報告には期日が決まっており、この期日に遅れるとペナルティーや利子が発生します。また企業規模にもよりますが、従業員が複数の州にいる場合は、それぞれの州へ納税や報告が必要になります。提出期限に遅れた場合はペナルティが科され、煩雑な作業が発生します。専門サービスを通した場合、こういった税金の納税や報告は給与会社が代行して行うため、提出期限に遅れたりする心配もなく、効率化が図れます。 4.給与プロセスの簡素化 代行サービスの場合、従業員に支払いたい金額と、引き去りたい保険の自己負担額などをシステムに入力すれば自動的に総支給額からしかるべき控除を行い、手取り額が計算され、さらに従業員から控除した税金はその代行サービス会社が代理で納税を行い、四半期ごとに連邦や州などに支払った税金の報告も行いますので、会社側は作業の簡素化を図れます。 多くの代行サービスでは給与計算処理後のレポートや、明細書の作成代行も行います。その他にも、従業員個人に付随する事情によるレポート(子供のサポートや差し押さえなど)の受取人への支払いなども自動対応しており、間違えると問題となる作業を確実に実行します。全米で利用されているADPや、お近くのバックオフィスサポート会社など、様々な代行サービスを提供する会社がありますが、給与会社を選定する際、どの給与会社が自社に合っているかを見極める必要があります。 会社によって、 それぞれ得意な部分、または不得意な部分があります。まずは現在自社内での給与処理を再確認し、代行サービスを利用することで得られるメリットを整理し、選定することをお勧めします。 (マイケル リード、三和一善)
日米採用プロセスの流れ | 三和一善
米国に進出している企業の場合、トップには日本から駐在員が着任し、No2やアシスタントに日本語と英語の バイリンガルスタッフを置き、それ以外のセールスやマーケティングなど、顧客と直接コミュニケーションをとるポジションにローカル社員を雇うケースが 多く見られます。日本から駐在員をアメリカに送る点について、一番ネックになるのはビザの申請に関わることです。特に昨今のアメリカでは、ビザがいつ取得で きるかが分からないため、進出が予定通り進まない、または予定していたビザの許可が下りなかったなどということもあります。 アメリカ側からすると、日本だけでなく、多くの国から申請があることと、特に初めて進出する企業などはアメリカでの実績がなく、判断材料が乏しいということもネックになると聞いたこともあります。しかし例えば、工場などを新設し、多くの従業員の雇用をするという場合など、大きな投資が伴ったり、特にアメリカ人の雇用を予定する場合などは米国での過去実績が なくても判断されやすいようですが、セールスなどの拠点であったり、中小企業の場合、投資が十分な額出ない場合も多いため、申請許可が通りにくくなることも多いため、専門会社や、弁護士等に相談することをお勧めします。 また、特に最近、現地社員の雇用の際に、採用プロセスの違いから、複雑な問題に発展してしまう日本企業が多くなっており、社員を雇用する場合のプロセスについて再度説明をしたいと思います。三和一善 このようなパネルディスカッションで同じことを言っていますが、日本での主な採用方法は、一定の経験、場合によっては年齢や年次、経験やスキルがあるか、などを一定の給与範囲内で、を人物を中心に決定される傾向にあると思いますが、一方アメリカでは、業務内容である、ポジションが判断の軸となります。採用でも、報酬制度の考え方も、明確なジョブディスクリプションがあって、主体となる職務給やポジション別に給与レンジがしっかりと制度化されています。したがって各組織内でのポジションの明確化や、それに添った報酬制度を構築する必要がある点が、日本の総合職的な考えや、人物中心の採用との違いとなります。 募集手段については、さまざまな方法がありますが、多くの日本企業は、自社で募集広告を出して、自社の人事部で採用活動を行おうとします。この場合、自社で採用プロセスを全て担わないといけないため、時間と手間がかかります。一方で、地域のマーケットやビジネス習慣に精通した人材エージェントを活用する場合は、自社で費やす時間や 手間が省ける利点があります。企業によっては大量に採用する際に、募集・選考から採用までを一元委託する 採用代行のケースもありますが、それぞれの採用手法や得意分野や特徴があるために、自社の採用目的などに応じて方法 を選択するのが良いと思います。 ただ、 アメリカの場合、選考過程においては十分な注意が必要で、特に面接には注意をしていただきたいと思います。 日本企業の人がアメリカの商習慣に疎いために、特に応募者とトラブルになるケースが多く見受けられます。ここアメリカでは、州によって若干の違いがあるとはいえ、ほぼ共通して、年齢、健康状態、出身地、性別、どのような手段でアメリカに滞在しているのか(ビザなど)、性的指向、人種、家族、宗教、などの質問は法律で禁止されています。 EEO、Equal Employment Opportunitiesという法律により、採用をはじめ、昇給、昇進、異動、懲戒、解雇などのあらゆる決定において今言ったような差別が厳しく禁止されています。全ての人事決定は、ジョブディスクリプションに記載されている内容の職務を行うに当たって、能力をは じめ、経験や勤務態度など、正当な理由によって決定される必要があります。採用・不採用 を通知した際に相手が不快や疑問に感じたり、企業側の質問がEEOの内容に該当するようなことだと、後にトラブルに発展する可能性があります。 また、面接後に、採用の内定を出す予定の候補者に対してバックグラウンドチェックを行う企業があります。必ず実施する必要はないですが、採用の際には、会社としてバックグラウンドチェックに関する規定や考え方をしっかりと持って、できれば実施されることをお勧めします。採用が決定すると、オファーレターを出します。両者が合意すれば、内定、入社となります。オファーレターには、給与額 ・FLSAステータス(ExemptあるいはNon-Exempt)・勤務開始、勤務時間・タイトル(職位)・福利厚生・オファーレターの有効期限 ・At-Willを必ず表記してください。 アメリカでは能力と成果に対して報酬が支払われることが原則です。入社を決定する前にジョブ ディスクリプションがしっかりと共有されていて、なお評価がそのジョブディスクリプションに基づいたもので なければトラブルになる可能性があります。成果を出している社員に対しては、しっかりと評価をして報酬を払うことが重要です。日本のように全体的なバランスで見るような評価は不信感につながることもあります。成果が足りない社員にはその理由をジョブディスクリプションに基づき、きちんと論理的に説明しなけれ ば訴訟などに発展する可能性もあるため注意してください。アメリカでの人事は、採用に対する考えの根本的な違いをはじめ、採用プロセスや各ス テップに、日本のそれとは異なる特徴があることを理解し、人事戦略を構築されることをお勧めします。また、アメリカでは専門分野をアウトソースするという考え方は幅広く浸透しており、戦略的なアウトソーシングを活用することも、有効な選択肢といえます。 (サムリード・三和一善)
現地採用とインターンシップ | 三和一善
日本とアメリカでは、人材採用と配置の基本的考え方が異なり、ポジションを中心に採用します。入社後の人事異動という考え方も少なく、一般的には入社したポジションのままで、同じ仕事を継続します。そのため、日系クライアント様で、従業員を採用する際に、やはり日本と同じように入社試験や適性試験をしたい、といった時に若干注意をしておかなければならない場合があります。三和一善 どのような応募者にも公平な試験(例えば仕事で使用するソフトウエアの使用に関するチェックなど)は構いませんが、ほとんどの企業では、専門ポジションを募集する場合は、ある程度の学歴や経験のハードルを設けていますので、中学や高校で教わるような一般知識のような試験は、例え応募者が答えられなかったとしても、入社後のパフォーマンスにほとんど関係がない場合が多く、何らかの排除のための試験と捉えられる可能性もあります。例えば、アメリカは人種によって教育レベルに差が出ている実態があり、そのようなデータも多く公開されています。そのため、企業受付のポジションに、大卒以上と条件を設定し、人種に対するフィルターと捉えられたケースもあります。 ポジションや業務内容を中心に採用を進めるアメリカでは、「ジョブ・ディスクリプション(職務内容の書かれた書類)」が非常に重要になります。人材を採用・配置するポジションについて、担当する職務内容や必要なスキルなど、会社が何をその人に求めているかについて詳細を記します。採用時にジョブ・ディスクリプションを提示して求める成果を明確にしないと、その後の評価においてその人の業務成果を評価することが困難になってしまいます。また、従業員との訴訟リスクや様々なトラブルにも繋がってくるため、アメリカ の企業ではジョブ・ディスクリプションは必要事項が網羅されており、非常に詳細かつ具体的に作成されています。入社試験を課したい場合には、まず、その試験が仕事のパフォーマンスやジョブディスクリプションと関連があるのか、ということを確認し、実施してください。 ■実務経験について アメリカ の企業では学生でも、中途採用でも即戦力を求めてきます。日本の新卒採用は一般的に今後の成長に期待し、活躍できるだろうと内定を出しますが、アメリカではすでに応募者が十分な実力を持っていて、すぐにでも企業で活躍でき、また、それを学生自らが説明できる人物を採用する傾向にあります。学生の資質と将来に期待を込めて、という意図の採用はありません。そのため、これまでの経験や、現在の能力が非常に重視されます。特に実際に同じ職種で働いたことがあるかという実務経験の有無は合否判定に大きく関わります。大学生に実務の経験を求めることは厳しいため、アメリカではインターンシップ制度が充実しています。そのため多くの学生はインターンシップに参加し、実務を経験してから就職活動を始めることになります。 ■インターンシップ参加の重要性 期待値ではなく、実力、即戦力を求められるアメリカでは、実務経験が非常に大切です。就職を希望している学生のほとんどは、在学中になんらかのインターンシップに参加しています。企業には新卒だから実務経験が無くて当たり前という考えはありません。学生によっては高校生から休みを利用してインターンに参加する人もいます。成績や社会活動も重要な要素ですが、社会でアルバイトなどではなく、インターンの経験で実践的に希望する職種で活かすことができるかどうかも問われます。インターン先の企業で実力を認められれば、卒業後そのまま内定をもらえることもありますし、実際に働き始める前に、希望する職種を経験して自分にマッチしているかどうか等を知るためにも、積極的な参加をお薦めします。