ビザ発給停止の状況について

イクイティソリューションズ Christopher Bell

シナジック 三和一善

トランプ大統領は、2020年4月にアメリカ国民の雇用を守るため、グリーンカードの申請手続きを60日間停止する発表を行った後、2020年6月にはこの制限の延長に加え、2020年度末まで、一定のビザによる入国の停止を発表しました。以下に制限の内容を記載します。

制限の対象になるビザの種類は、「H-1B」「H-2B」「J」「L」となります。現時点では、その他の「B」ビザ、「E」ビザ、「O」ビザなどは対象外となっています。「H-1B」ビザは、専門職ビザと言われるもので、申請者の学位が、申請する職務に合致しているか、相当する職務経験があり、米国での職務内容が専門的であり、大学での教育、および職務経験が当該職務に必要なものであるかどうかが厳しく問われるビザです。「H-2B」ビザは一時的熟練労働者のビザ、「J-1」ビザは学生や研究者、研修生、教師などの交換プログラムに用いられるビザです。「L-1」ビザは、日本の親会社から米国内にある子会社に派遣される人のビザです。三和一善

これらのビザの制限は、2020年6月の時点でアメリカ国外に滞在していて、2020年6月の時点で有効なビザを保持していない人に適用されます。従い、現在すでに上述のビザを保有し、アメリカ国内に滞在している人は制限の対象外です。

例えば、6月時点でH-1ビザで滞在していて、その配偶者がH-2ビザを持っているが日本に滞在している場合、その配偶者の今後のアメリカ入国も可能であり、夫も滞在、就労に制限を受けることはありません。また有効期限内はもちろん出入国も可能です。

本件は、ビザの制限を課しているのであって、すでに保有している人のビザステータスを制限しているものではありません。ステータスの有効期限は、「I-94」に記載されています。その期間内であれば、延長が可能となります。

グリーンカードに関する制限も延長となっていますが、申請自体が停止されているわけではありません。就労を通してグリーンカードを申請する場合、「I-485」の申請を行えば、就労許可が発行され、正式なグリーンカードが発行されるまでの間、アメリカ国内に合法滞在、就労、出入国ができます。なお投資による永住権の申請(EB-5)は制限されていないようです。

本規制内容は今後、変更、延期の可能性があるとされていますので、十分に注意をして、適切な対応をしていくことが重要です。

Published by kanewilliamson

米国カリフォルニア州を拠点として、ビジネスのバックオフィスソリューションを提供するシナジックグループの代表。プライベートではNGO活動を通じて、大学での社会人起業家育成プログラムなどに関わる。家族と共にカリフォルニア州ビバリーヒルズ在住。

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